Take Me to the Mardi Gras by Bob James
HIP-HOP の世界の考え方の一つとしてSAMPLINGがある。
これは、ある人の楽曲から一定の部分のトラックや声などをとってきて、それを自分たちなりに再利用して使うというやり方、考え方である。
例えば、RAPのレコードとして最初にヒットを飛ばしたラッパーズディライトは、シックというグループのグッドタイムスという曲のトラックをカバーしたものだった。
今回ミッシーのワークイットを紹介した関係で、その曲の中でSAMPLEとして使われているRUN D.M.C. のピーターパイパーという曲をご紹介したが、そのピーターパイパーも実は別の楽曲のサンプルということなので、今回はあえてそこまでさかのぼってご紹介することにします。
こういう風にいろいろ探したり、掘り下げていくことを、HIP-HOPの世界ではDIG(ディグ)するといいます。今回はまさにトラックのDIGです(笑)
さて、前置きが長くなりましたが楽曲紹介です。
ピーターパイパーがカバーしたトラックは、なんと、ジャズ、もしくはフュージョンのピアニストとして有名な「ボブ・ジェームス」の”Take Me to the Mardi Gras”という楽曲のトラック。1975年にリリースされた”TWO”というアルバムの中の1曲です。
そして、なんと驚くことに、このボブジェームスの楽曲も、「ポールサイモン」の同名楽曲のカバーであった。
もうややこしくてわからないと思うので今一度。
オリジナル:ポールサイモンのテイク・ミー・トゥ・ザ・マルディグラ
↓
メロディーのカバー:ボブ・ジエームスのテイク・ミー・トゥ・ザ・マルディグラ
↓
トラックのサンプル:RUN D.M.C. のピーター・パイパー
↓
トラックのサンプル:ミッシーのワーク・イット
となります!
「ボブ・ジェームス」は自らのピアニストの活動のほか、音楽プロデューサー、作曲家などとしても活動し、映画音楽やクラシックまでと幅広く活動している。
ストリートダンス研究家 宮田健男(SPARTANIC ROCERS)