新しいコンセプトのバトルイベント King of The Dancers !!

The New York City Breakers by Takeo

The New York City Breakers
-ストリートギャングが大統領の前で踊るまで-


どうも、Spartanic Rockers の宮田健男(TKO)です!
TKOがお贈りするこちらのコーナーでは、ボクが前からやりたかった世界のダンサー紹介をさせていただきたいと思います!これは、ボクがリスペクトする様々なダンサーを、自分の独自の視点と想いで紹介するコーナーとなります。

さて、このコーナーオープンに寄せる記念すべき第一回目は、やはりボクがB-Boyという事で、歴史的に重要なB-Boyチーム、New York City Breakers(ニューヨークシティ-ブレイカーズ)をご紹介したいと思います。B-Boyでない方も、是非読んでください!!
もともと、B-Boyとは、ニューヨークのゲットー(貧困層が生活する地域)と呼ばれていたブロンクスやブルックリンで自然発生的に生まれ、成長してきたダンスです。多くの若者はストリートギャングに属し、対抗勢力や警察との争いに明けくれておりました。
ヒップホップという言葉を世界に広めたヒップホップの父、アフリカバンバータは、自らがリーダーを務めるギャング組織が、警察との銃撃戦で仲間を失ったことを契機に、この無意味に続く暴力の連鎖から抜け出そうと決心しました。
「戦うなら、自らの文化で戦おう!」こう宣言したバンバータの影響を受け、リアルな戦いをダンスに置き換えた「B-BOYのバトル」が始まったのです。

ヒップホップ並びにB-BOYカルチャーは、やがてメディアに取り上げられ、世界にその存在が知られるようになります。特にB-Boyingのアクロバティックでキャッチーなスタイルは、瞬く間に世界中に広がり、多くの若者に支持され、普及していくのです。

そんな中、非常に多くのメディアに取り上げられ、一躍有名になったチームがあります。
それが 「NewYorkCityBrekers」です。

彼らは敏腕マネージャの力もあり、テレビや映画、その他世界中のイベントやメディアに露出を繰り返し、その知名度を不動のものにしていきます。映画、フラッシュダンスでその名前を世界にとどろかせた、同じくニューヨークの有名チーム、「ロックステディクルー」とのバトルを中心に描いた映画「ビートストリート」や、テレビの特別番組「グラフティロック」そしてダンサーなら誰でも知っている音楽番組「ソウルトレイン」他、様々なメディアで大活躍をしました。

しかし、自分が最も好きなのは、第40代アメリカ大統領、「ロナルド・レーガン」のパーティーでスタジアムで踊るパフォーマンスです。

このパフォーマンスで使われた曲が、有名な「アパッチ」という曲です。
全身タイツで踊る彼らのパフォーマンス。
自信に満ち溢れ、大統領や大観衆の前でも少しも臆することなくダンスを披露している彼ら。

ゲットーの、道端でたむろしていたストリートギャングという、いわば社会の「底辺」だった少年たちが、時の大統領の前で踊るという、いわば「最高の場所」に上り詰めた瞬間であったと言えるのではないでしょうか。

しかし、80年代も終わりに近づくにつれ、Breakin’を取り巻くブームは潮を引いたように去っていきます。代わりにボビーブラウンなどに代表されるニュージャックスウィング、いわゆるニュースクールダンスが台頭し、Breakin’は「古いもの=ダサいもの」という偏った認識の上、ブームの壇上から姿を消すことになるのです。

道端から、ブームに乗って一気に最高の舞台まで押し上げられた彼らも、ハシゴを外されて容易に舞台から転げ落ちてしまいます。流行に乗せられた彼らの地盤はあまりにもろく、世間の冷たい風に耐えるには余りに若かったのかもしれません。ギャングから更生した面々もいたが、またギャングに後戻りをしたり、ドラッグにはまってしまうB-Boy達もいました。

天才の名を欲しいままにしていた、メンバーの「ICY ICE」は、後にインタビューでこう語っています。

「最初に大爆発した1980年代から、メディアは既に人々の心に、ブレイキングなんて単なる一時的な流行でしかないって意識を刷り込んでいたんだよ。ガキだった俺たちは気づかないうちに、自分たちの才能やカルチャーそのものを搾取されていたんだ。けど俺たちにとっては・・・」と、彼は一拍置いて断言した。
「それは本当に、紛れもなく純粋な、踊ることに対する愛情と情熱の結晶だったんだ。」(ヒストリー・オブ・ヒップホップ:株式会社シンコー・ミュージック より引用)

彼らのとって「最高の舞台」であるこのパフォーマンスを見る度に、そんな様々な背景に思いをはせてしまうボクはいつも目頭が熱くなってしまうのです。
ともかく、New York City Breakers は我々、当時のパワームーヴァーにとって最高のアイドルでありました!!
(ちなみに95年にN.Y.に行った時、NYCBのメンバー、ペクスターに会ったときは相当興奮しました!)

New York City Breakers、最も有名なメンバー構成は・・・

軟体WAVEのMR.WAVE
軽快なアクロバットと職人的なフットワークのFLIP ROCK
片足スワイプスからドリルLIL LEP
特攻隊長でセンスが光るPOWERFUL PEXSTER
ヘイローを世界に広めたICY ICE
ネックムーヴマスターのリーダー ACTION
ゲンコでハンドグライド、GLIDE MASTER
ヴーメランウインドミルのKID NICE

ですが、先にご紹介したレーガン大統領のパフォーマンスでは
天才パワームーヴァー ALEX
が加わっております。

すいません、初回でちょっと熱が入りすぎ長くなりました!

次回からも素敵なダンサーをたくさん紹介していきたいと思います!

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